手遅れになる前にリスクは事前に把握しておこう
住宅ローンは無事に組むことができれば一安心ですが、申込みする前に確認しておきたいいくつかのリスクがあります。
これらのリスクを理解した上で住宅ローンに申し込むことが大切です。ということで、ここでは住宅ローンが抱える5つのリスクについて紹介していきます。確認していきましょう。
金利上昇のリスク
住宅ローンは金利固定タイプと金利変動タイプに分けられます。一部の金融機関はこれらのハイブリッド金利タイプを用意していることもあります。
ここで注意しなくてはならないのは金利変動タイプです。最初の金利がかなり低めに設定されているので選択する方も多いでしょう。しかし、市場の変動に伴って金利が上昇するリスクがあります。
当然、金利が上がってしまうとその分返済額が上昇していくわけですので、当初予定していた返済額よりももっと多く支払わなくてはならない、という事態になりかねません。
逆に言えば、金利が下がればトータルの返済額を減らすこともできます。住宅ローンの金利はその時々の景気によって変動しやすいものなので、なかなか見通しを付けるのは難しいのですが…。
2015年現在では、住宅ローンにかかる金利は過去最低金利を更新し続けています。これは国の政策による影響が大きいといわれています。ですので、今のうちに固定金利を組んでおいて、将来金利が上昇するリスクを最小限に抑えておく、という選択も視野に入れておくのが良いでしょう。
もちろん、これから金利がドンドン下がることが予想される状況にあるなら変動金利の方がメリットは大きいでしょう。しかし、たったの数年で大きく情勢が変わるのが現代市場ですので、よく考えて選ぶのが良いと思います。
収入減少リスク
一部の人たちにとって景気が良くなったと言われている現代の日本ですが、完全に二極化しているのが現状です。そして大半の人は「好景気」と言われているにもかかわらず実質生活が苦しくなっているのが現状。
給料が減ってしまう、ボーナスが減る、といった収入の減少はもちろん、最悪の場合だとリストラからの再就職ができない状況になってしまう可能性もゼロではありません。
このため住宅ローンは家を担保として組んでいます。つまり、住宅ローンを返済することができない状態だと判断されてしまった場合、マイホームを没収されても文句は言えない、ということです。
早い話が住む家を売って住宅ローンを返済する、ということ。このことを知らずに住宅ローンを組んでいる人が結構多いようです。公務員や大企業に勤めているサラリーマンなら収入減少のリスクはそこまで大きくは無いでしょう。
しかし、自営業者などいつどのような状況になるか分らない職業に就いている人は収入減少のリスクは常に考えておくべきです。
離婚のリスク
マイホームを購入する場合、ほとんどの人は結婚していると思います。そして大半の人たちは「夫婦共同名義」で住宅ローンを組むのではないでしょうか。
実はコレ、離婚してしまった時に非常に面倒くさいことになってしまいます。というのも住宅は持ち分に応じて分けることができない財産だからです。例えば、マイホームにかかった費用の60%を夫が、残りの40%を妻が負担していたとしましょう。
法律に基づいて分配するのであれば、家の60%を夫に、40%を妻に分配するのが普通です。しかし家を分割するというのはあまりにも被現実的ですよね。
ということで、結果的にどちらかがローンを支払って、結局マイホームはどちらのものになるのかハッキリとしない、というリスクがあります。離婚調停後の所有権でさらにもめてしまうケースは少なくありません。
不動産価格の下落リスク
住宅ローンは不動産の価値に応じて融資してもらえる金額が変動します。もしも不動産価格が大幅に下落してしまった場合、住宅ローンの残債の方が不動産価格を上回ってしまう可能性も出てきます。
つまり、もしも住宅ローンの返済が難しくなってしまった時、マイホームを売却しても全然足りない、という事態になりかねません。ということで、自分たちにとっては都合が良い物件だとしても、不動産としての価値が低いマイホームの購入を検討している場合はこのようなリスクがあることを踏まえておかなくてはなりません。
この点については住宅ローンを提供している金融機関側もしっかりと考慮しているはずですのでそこまで深く心配する必要は無いでしょうが用心に越したことはありません。
転勤のリスク
サラリーマンの場合だと、他県、場合によっては他国に出張や転勤しなくてはならない場合もあるはずです。人によってはマイホーム完成後すぐに転勤しなくてはならなくなってしまった…ということも。
もちろん、マイホームを賃貸という形で又貸しすれば家賃収入が手に入るので住宅ローンの返済を続けることは可能です。
ですので、上記した4つのリスクと比べると比較的軽い物ですが、賃貸に出すにしても手間と時間が必要となってくるのでやはり面倒です。
まとめ
住宅ローンに関するリスクはここで紹介した5つのものだけではありません。もっと他にも覚えておきたいものはいくつかあります。
しかし、最低限これらのリスクがあることを知っておけば、万が一の対処方法も見えてくるのではないでしょうか。多くは金融機関の担当者側から説明があると思います。
分からないことがあったり、少しでも疑問に感じるものがあったら遠慮なくドンドン質問しておきましょう。後悔するのは住宅ローンを組んだ本人ですから。