心配、不安な人が知っておきたい住宅ローン審査情報

中古物件を購入するときも、新築を検討しているときも、いずれにしてもほとんどの人は住宅ローンの利用を検討しているのではないでしょうか。

 

昨今、そうそう一括でマイホーム購入を検討している人はそう多くはないと思います。住宅ローンは申し込みさえすれば誰でも必ず組めるわけではありません。

 

住宅ローンを組むためには「仮審査」そして「本審査」の2つをクリアして初めて融資が受けられるようになります。申し込みをした時点で仮審査がスタートするわけですが、この内容がどんなものなのか、本当に通るのか心配になるかもしれません。

 

単純に給料が良いから、大手企業に勤めているから、という理由だけでは審査落ちする可能性もあります。どういった審査項目があるのか、必要な書類や手続きは?などなど…気になる部分はたくさんあると思います。

 

もちろん、住宅ローンを提供している銀行などの金融機関に相談しながら進めていくのがベストですが、ある程度知識を持っていないと相談できる土俵にすら上がれない可能性だってあります。ということで、まずは仮審査・本審査からチェックしていきましょう。

 

仮審査・本審査って何をするの?

 

住宅ローンの申し込みをすると、仮審査が始まります。内容は大きく分けると「属性評価」「物件評価」の2項目。これらを総合的に判断していくことで、融資対象者として適切かを決定していきます。

 

属性評価は、申込者本人の属性に関する評価です。詳細は以下にまとめていますが、ざっくりと説明すると「返済能力を持ち合わせているか」の判断となります。

 

物件評価はマイホームの不動産価値のこと。土地と建物の両方をトータルで判断します。例えば、コストが低い住宅よりも、ハウスメーカーなどのコストの高い住宅のほうが評価は大きいです。

 

また、価値の高い土地(都心部だったり、近くに商業施設や交通機関があったり…)であるほど価値が高いと判断されます。

 

仮審査の審査項目をチェック!

 

各金融機関、保証会社によって審査項目に違いはありますが、大体次のような基準を設けていることが多いです。

 

年収

 

申込者の返済能力にダイレクトに関係してくるのはやはり年収です。当然、年収が高いほど有利になっていきます。上は上げればキリがありませんが、下のボーダーは200万〜300万円だと言われています。

 

そう考えると「高給取りでなければ住宅ローンは組めない」と限定されているわけではないことが分かります。ただし金融機関によってこのあたりは変動します。

 

勤務先・勤続年数

 

どうして審査項目に勤務先や勤続年数が含まれているのか、というと「どれだけ安定した収入が期待できるのか」の指標になるからです。公務員や大手企業の社員だとリストラのリスクは小さいですし、順調に収入が増えることが期待されます。

 

一方で中小企業だとリストラやボーナスカット、給料カットなどのリスクが高いと判断されます。もちろん、すべての中小企業がそうである、と一括りにされるわけではありません。

 

勤続年数は多いほどより有利です。長く勤めている=今後も働き続けることが期待されます。つまり、安定した返済能力があると判断されるわけです。

 

最後に、注意しておきたいのが個人事業主です。サラリーマンではないので、安定した業績が出せないとそのまま収入の不安定さにつながってしまいます。

 

また提出しなくてはならない収入証明書も3年分以上に設定している銀行が多く、少なくとも3年は安定した業績が必要になるなどハードルが高いです。

 

借り入れ状況

 

申し込んだ住宅ローン以外に借り入れしているかをチェックします。例えば、クレジットカードやカードローン、フリーローンなどがこれに当たります。

 

住宅ローンは借り入れ状況のチェックがとても厳しく、基本的に借金がある状態だとまず審査に通りません。ですので、もしもこれらの利用があるなら完済してから申し込むのが鉄則です。

 

現在は利用していないクレジットカードでもキャッシング枠があれば、これを借金として取り扱うケースがあるようですので、使っていないものはすぐに解約しておいたほうが無難です。

 

なお、他社借り入れ状況で嘘をついても無駄です。個人信用情報機関で参照され、絶対にバレます。虚偽が発覚した時点で審査落ちとなるので気をつけましょう。

 

健康保険の加入

 

仮審査の段階、あるいは本審査の段階で、金融機関が定める団体信用生命保険に加入できるか否か、が項目に含まれてきます。

 

この保険は健康な人、あるいは持病があっても働き続けられる人しか加入でないことがほとんどですので、収入が多くてもここでつまづいてしまうケースも。

 

最近だと糖尿病や高血圧などの持病であれば加入できるところも増えているので、不安な方は検討してみるのも良いでしょう。

 

仮審査と本審査の違い

 

住宅ローンでは、仮審査をパスできれば本審査も通る可能性が高いといわれています。仮審査は上記したような内容となるのですが、本審査ではどういった審査をしているのでしょうか。

 

実は、内容としては仮審査とほとんど変わらないといわれています。ただし、より一層の精査となりますし、金融機関によっては保証会社が本審査を行う場合も。こうやって、二重に審査を重ねることでより正確に判断しているわけです。

 

仮審査に必要な期間は大体1〜2週間前後、本審査は2週間〜1ヶ月ほどかかることが多いようです。結構長い期間が必要となりますので、その間に事情が変わることも。

 

例えば、リストラされたり、会社が倒産したり、病気を患ったり…といったことが起これば、白紙に戻ってしまうこともあります。

 

住宅ローンの申し込みで準備するものは?

 

住宅ローンを申し込む際には色々なものを準備しておかなくてはなりません。

 

住宅を購入・建築するときには着手金を始め、中間金などを時期ごとに支払わなくてはならないので、しっかりとした予算スケジュールが必要不可欠です。

 

しかし、住宅ローンの審査の家庭で必要書類に不備があったりすると、正確なものを提出するまで審査が停止してしまいます。つまり、スケジュールに乱れがでてしまう可能性があるわけです。

 

ということで、ここでは住宅ローンの審査を受ける前に確認したい必要なものをピックアップ。

 

 

仮審査で必要な書類

 

申込書 金融機関で受け取り、必要項目を記入して提出します。ハウスメーカーや不動産屋でも用意していることもあります。
本人確認書類 運転免許証、保険証、パスポートなどの写しが基本です。また勤続年数などをチェックするために健康保険証のコピーの提出を求められることもあります。
収入証明書 給与明細、源泉徴収票、確定申告書などを提出します。自営業の場合は直近3年分の提出を求められる金融機関も多いので事前に確認しておいた方が良いでしょう。

 

 

本審査で必要な書類

 

生命保険申し込み書 金融機関にもよりますが、本審査の過程で決められた生命保険に加入しなくてはならない場合があります。そのための申込書です。審査をパスできても生命保険で断られてしまうと審査落ちすることになってしまいます。
不動産に関する書類 マイホームを購入するにあたって必要な土地や物件の謄本や売買契約書、概要図といったものを提出します。基本的にこれらの書類は不動産業者が用意してくれるはずです。
自己資産に関する書類 預金や貯金、土地、物件、株などなど資産に関する書類の提出が求められる場合があります。預金は通帳のコピーなどを提出。

 

もしも審査に通らなかったら?

 

ここまでで紹介したポイントをチェックしたからといって、絶対に通るとは限りません。一度審査落ちしてしまうと、当分は住宅ローンを組むのは難しくなります。

 

その理由は、信用情報機関に記録が残るから。これは各金融機関が照会できるため「A銀行の審査に落ちているからお断りしよう」といった風に判断されてしまいます。

 

審査落ちの理由は分からない

 

住宅ローンの審査に落ちてしまった理由が知りたいのは誰もが思うことです。しかし、絶対に教えてくれません。

 

審査落ちした時点で理由を探しても遅い、ということに。ですので、しっかりと準備を整えてから審査を受けるのがベストです。以下のポイントを再度確認しておきましょう。

 

完済時の年齢 住宅ローン完済時の年齢はかなり重要です。遅くとも70歳までには完済できるようにしておくのが一般的。
返済能力 先述したとおり、勤務先、勤続年数、年収は重要なファクター。キャリアアップやヘッドハンティングといった理由で転職する場合は担当者に相談しましょう。
健康であること 住宅ローンの返済期間は長いので、その間滞りなく返済し続けられる人、つまり健康な人ほど望ましいです。
自己資金の問題 マイホーム購入のためには自己資金をある程度用意しておくのが一般的です。最近では自己資金がなくても組める住宅ローンも増えています。

 

平均すると、購入費用の20%くらいの自己資金が必要だと言われています。審査内容にも影響するので、たくさん用意できればそれだけ有利です。

 

まとめ

住宅ローンの審査は「失敗が許されない」というイメージがあるかもしれません。確かに、一度審査落ちすると信用情報機関に半年ほど記録が残ってしまいます。

 

しかし、逆に言えばその半年間で準備して、再審査を受けることができます。人生で1度、多くても2度程度しか組む機会が無い住宅ローン。

 

だからこそ後悔の無い、ちゃんとした住宅ローンを選びたいものですね。既に住宅ローンを組んでいる方で返済の減額を希望している方は住宅ローンの借り換えを検討して、返済総額の削減について検討してみると良いでしょう。

 

分からないことや、疑問に思うことがあったら、担当者に相談して納得がいくまで話し合うことをオススメします。